150379 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

The locus of the moon

The locus of the moon

詩 「黒き沼」

「黒き沼」

暗き森の奥深くにそれはある
人の心の黒い部分が投げ込まれた沼
夜の闇にまぎれ人は黒き沼を訪れる

「黒き沼よ私の心の闇を受け取っておくれ」

黒き沼の主は沼から顔を出し言葉を発した者を見つめる

「ここに心の闇を投げてどうなる?結局はまたここに訪れるのではないのか?」

言葉を発した者は言葉につまり黒き沼の主を見つめる

「現にお前はここに来るのは3度目ではないか。心の闇は人の中より生まれるもの。闇が無くなる事などないのさ」

そう言うと黒き沼の主は笑った。

心の闇
それは人の中より生まれるもの
無くなる事などあり得ない
しかしそれでも人は黒き沼に訪れ自分の闇を沼へと放り込む

自分の闇に飲み込まれないように


© Rakuten Group, Inc.